2021/06/17 Posted by
にしわがチョイス

本物の「わらび餅」と出逢う、ニシワガ山菜天国の旅。にしわが通信 Vol.59

こんにちは、にしわがチョイスです。

家で食事する機会が増え、なんだが食卓がマンネリ化してしまっていませんか?
全国的に梅雨を通り越し、真夏のように暑い日が続く今日この頃ですが、山菜天国の西和賀は、まだまだ山菜シーズン進行中です。毎日の食事のアクセントに、苦いも甘いも、白いも緑も詰まった「西わらび」はいかがでしょうか?

先月、「西和賀」という名前についてユニークな考察をしてくれた、神社や祈り、アウトドア、そして学びを軸に執筆活動や全国各地の地域活性プロジェクトを手掛ける中村 真さんが、西和賀で初めて出逢った本物の「わらび餅」の魅力について、まとめてくれました。

他にも、西和賀町の菓子店それぞれの「西わらび餅」や、その原料の「西わらび粉」など、今号は「西わらび」づくしでお届けします。

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 目次
1.  本物の「わらび餅」と出逢う、ニシワガ山菜天国の旅。
2.  西わらび粉100%、「本わらび餅」を食べ比べでどうぞ。
3. 「西わらび粉」を育てた、土地への愛とおもてなしの心。
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ぐんぐん伸びる「西わらび」。西和賀の大地のエネルギーを一身に受けて

ぐんぐん伸びる「西わらび」。西和賀の大地のエネルギーを一身に受けて

1.本物の「わらび餅」と出逢う、ニシワガ山菜天国の旅。

前回、西和賀という地名を勝手に考察させてもらいながら、その山深い地形や豊富な水や厳しい冬など自然環境の恩恵が西和賀を「山菜天国」たらしめていると書いた。

さまざまな山菜に恵まれる西和賀で、特に有名なのは「わらび」だろう。それ自体は国内外のどこにも生息する多年生シダ植物であり、日本人にとって古くは万葉集にも登場するほどなじみ深い山菜だ。しかし西和賀産は特に「西わらび」と呼ばれ、緑がかった独特な色や食感、その粘り強さなど、明らかに他の地で採れたわらびとは違う。そんな特性もまた、他にはない地形と自然環境が生み出したものだ。

首都圏や関西の料亭などでも高級として重宝されているという西わらびだが、日本各地の山間部同様、近年、高齢化によって自然とともに暮らしを営む人は圧倒的に減少し、山に自生する山菜を採取する人も激減してきた。そこで西和賀町では、もちろん山で収穫するブランド山菜はそのままに、古来この土地の宝であった山菜を特産品として安定供給すべく、20年以上前から畑での栽培も開始した。

町ぐるみで取り組むこの西わらびプロジェクトは、それこそ役場や特定の事業者だけが頑張ればいいというものではない。これまで山で自生してきた山菜を畑に移し、この土地ならではの深い味わいを育てる人、それを収穫し「山菜をそのまま食す」というこれまでの利用方法以外のアイデアを考え実行する人、さらにはその魅力をしっかり表現し伝える人……。その他にも、関わるすべての人たちの思いの積み重ねが求められる。

そんな積み重ねの一つが、西和賀の街を車で走ると至る所で目にする「わらび餅」の看板。わらび餅といえば、奈良や京都といった関西圏のイメージだが、西日本から遠く離れた岩手県の山間部で目に入ってくる「わらび餅」の看板は、それだけで興味が湧いてくる。さっそく一軒のわらび餅屋に入ってみることにした。

「出来立てのわらび餅を食べてほしくて」とのご主人の思いから始まった「わらび餅かふぇ 団平」は工房の隣に建てられた甘味処で、タイミングがよければご主人が目の前で、西和賀産の純正の本わらび粉を、地元に湧くおいしい水でときながらわらび餅を作ってくれる。

わらび餅というと、トロトロした食感で、だいたい黒っぽいものをよく見かける。それこそ京都の茶屋やスーパーなどでパック詰めされたものくらいしか食べたことがなかった僕は、まずはその白さに驚いた。そもそもわらび餅がわらびからつくられるということも、この時に改めて思い出した。その味はというと、つるっと、それでいてもちもちした食感で、至極美味い。過去に食べていたものをわらび餅と呼んでいいのかという疑問すら生じてきた。

ご主人に聞くと、全国的に流通している「わらび餅」で、希少価値の高いわらび粉を使用したものはほんの僅からしく、サツマイモやタピオカなどから採れたでん紛や葛粉を使っているものが大半なのだそうだ。昔ながらの本物のわらび餅に、本場とされる関西から遠く離れたここ西和賀という地で出逢うことができるとは、想像もしていなかった。

もともと西和賀でわらび餅を作る伝統や嗜む文化はなかったそうだが、だったらその原材料からこだわり抜いて生産してみよう、昔の文献を紐解いたりしつつ本物のわらび餅を作ってみようという思いから生まれた「西わらび餅」。全国に溢れる奇をてらった特産品とは、その成り立ちも価値も、そこに詰まった思いも何もかもが違う。

西和賀を山菜天国たらしめる自然環境とその土地に暮らす人々の思いが紡がれてできた「わらび餅」を食べてみて、なんだか西和賀そのものを味わっているような気がした。更に味わい尽くすために、他のお店のものもお土産に買って帰ろうと思う。

<プロフィール>
中村 真
なかむら・まこと/1972年東京生まれ。神社や暮らしの中にある信仰を独自に研究する神社愛好家で山伏。学生時代より世界を旅し、外から見ることで日本の魅力に改めて気づき、温泉と神社を巡る日本一周を3度実行。日本の魅力を再発見していく中で、とことん神社に心を奪われる。これまでに参拝した回数は1万回以上。自由大学にて教鞭をとる「神社学」は、初心者にも「わかりやすい」「面白い」と好評。2013年には「尾道自由大学」を開校し、校長に就任。

2.西わらび粉100%、「本わらび餅」を食べ比べでどうぞ。

地域のお菓子店3軒がそれぞれ素材や技法を研究し、こだわりの「西わらび餅」が誕生しました。
西わらび粉100%のわらび餅、ぜひ食べ比べでお楽しみください。

〈雪国のだんご屋「団平」〉のわらび餅の特徴は、つるっとした喉越しとぷるんとした食感、そして独特のコシ。お口の中でお餅がおどります。

3.「西わらび粉」を育てた、土地への愛とおもてなしの心。

「西和賀町の土地と風土を生かした産品で、訪れるみなさんに喜んでもらいたい」

そんな思いから〈やまに農園〉では10年ほど前から「西わらび」の栽培を開始。
現在は、わらび餅の原料となる「西わらび粉」をはじめとした加工品の原料の販売を手掛ける一方で、わらびの収穫やアク抜き体験ができる観光農園も定着しています。

「西わらび」はアクやスジが極めて少なく、とろっとした独特の粘りが特徴。西和賀町の長い冬と、沢山の雪がその美味しさを育むのだそう。

今年わらび採りが叶わなかった方も、ご自宅で西和賀の春の恵を楽しんでみませんか?

更新日:2021/08/19